2012年02月14日

フラガール

フラガール(スマイルBEST) [DVD]
ハピネット (2008-02-08)
売り上げランキング: 15221

(2006年/日本)
監督:李相日
出演:松雪泰子豊川悦司蒼井優山崎静代徳永えり岸部一徳


個人的採点:75点/100点
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 『フラガール』は『李相日』監督によって実在する『スパリゾートハワイアンズ』の誕生を描かれたドラマである。

 舞台は昭和40年の福島県いわき市にある常磐炭鉱。時代は石炭から石油へと移り変わっており、炭鉱が規模を縮小させるにつれて町の人々は次々と職を失っていく。そんな中、町おこしとして常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)を立ち上げることとなるが、その目玉となるフラダンスを踊るフラガールになる事は炭鉱の町に暮らす人々には簡単に受け入れられるものではなかった・・・。

 『蒼井優』と『松雪泰子』が出演しているという理由だけで全く期待せずに観たのだが、なかなか楽しめる作品だった。観るまでは実話ベースではあるのでドキュメンタリーに振れてしまったり、感動の押し付けの様なお話になってしまっているのかな、と思っていたのだが、時代背景をしっかりと抑えつつ、感動もさせてくれて、更に観ていて心地良いと言う上質なエンターテインメント作品だったと思う(それが好みかどうかは別問題)。

 『蒼井優』は(良くも悪くも)雰囲気女優だと思っていたのだが、この作品に関しては一味違った。正直見くびっていた、と言わざるを得ない演技であった。ただこの作品以降の作品を観ても雰囲気女優だと思った事があったので、これは監督が上手かった、という事なのかも知れない。もちろんそれが『蒼井優』の才能を否定するものではないけれども・・・。また『松雪泰子』はさすがの迫力であった。個人的にはもっと映画に出演していて欲しいと思う女優である(この作品辺りから出演数が増えているのが嬉しい所)。そして前回の『Love Letter』にも出演していた『豊川悦司』だが、炭鉱夫としてはスマート過ぎるとは思わなくもなかったけれども、さすがに安定感のある演技であった。

 そしてそんな存在感のある主役級の3人以上に印象に残ったのが『徳永えり』だった。彼女の出演作品は『放郷物語』、『アキレスと亀』と観ているはずなのだが、正直印象にない(前者は作品自体の印象がないが)。しかしこの作品に関しては序盤での印象度は間違いなく『蒼井優』よりも格段に上であった。中盤以降に出番が全くなかったのが残念でならない。今後意識して観たい女優の一人となった。

 個人的にこの作品の一番好きな所は、この時代を描いたものには珍しく懐古主義的な所が少ない点である。「あの頃は良かった〜」と言う臭いがしてくるとそれだけでお腹一杯になってしまうのだが、この作品に関してはそれをあまり感じさせない。今も存在する『スパリゾートハワイアンズ』はこの時代の苦悩と努力があるからこそ成り立っている、と言う事が素直に受け止められる内容なのだ。やはりそれはリアリティの問題であり、そのリアリティを担保しているのは現在も『スパリゾートハワイアンズ』でフラダンスを踊っているフラガールの中に受け継がれている、この作品の時代から続いているものなのではないだろうか。

 『フラガール』は気軽に楽しめる感動的なエンターテインメント作品であった。エンターテインメントとしての軸がブレずにしっかりと保っている良作と言えるだろう。


posted by downist at 06:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 − ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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