銀のエンゼル (日活から再発売) [DVD]posted with amazlet at 12.03.09NIKKATSU CORPORATION(NK)(D) (2009-07-10)
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(2004年/日本)
監督:鈴井貴之
出演:小日向文世、佐藤めぐみ、大泉洋、西島秀俊、浅田美代子、山口もえ
個人的採点:65点/100点
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『銀のエンゼル』は『水曜どうでしょう』でミスターと呼ばれる『鈴井貴之』が監督をつとめる北海道を舞台としたヒューマンドラマ作品である。
舞台は北海道の田舎町。ローソンのオーナーである『北島(小日向文世)』は妻の『佐和子(浅田美代子)』に店を任せ放しの毎日であった。ある日、妻が交通事故で入院してしまい『北島』は忙しい毎日を送る様になる。そんな『北島』はいくつかの家族問題を抱えていたのだが、そんな事はお構い無しに日々店には色々な客が訪れるのだった・・・。
この作品を手にとる方の大半は『水曜どうでしょう』経由だとは思うが『水曜どうでしょう』を観たことがない方でも、また好きではない方でもちゃんと観ることの出来る映画である。逆に『水曜どうでしょう』のテンションをこの作品に求めてしまう方には辛い作品かも知れない。と、ここまで書いていて『水曜どうでしょう』もよくよく考えるとかなり地味で淡々とした番組であった。出演者によってテンションの高い番組になってはいることを考えれば、この作品は非常に似ているのかも知れない、と言えなくもないのかも知れない(実際に『大泉洋』の出演シーンはテンション高めである)。
ストーリーとしては特に目新しい所もなく本当に淡々とした話である。言ってしまえばコレといった所が全くない。その替わりにコンビニの様に色々なものが詰め込まれている、といった印象だ。そして更に言ってしまえば、コンビニの様に深みがないものの冬のコンビニの様に暖かい、まさに『マチのほっとステーション』的なエピソード群である。またタイトルにもなっている『チョコボール』の『銀のエンゼル』であるが、タイトルになる程の理由は見当たらず、意味を私なりにこじつけるとすれば『人生は撰択の繰り返し』で運良く当たって蓄積した結果が大きな当たりに繋がるかも知れないし、そこまで繋がらないかも知れない。そもそも当たらないかも知れない。けれども、当たらなかったとしても『チョコボール』は食べられるし当たる事よりは選択が人生だ、と言った所だろうか。
ところで作品の中にアルバイトに発注を頼んだ結果、店に豆腐が山の様に届くというシーンがあるのだが、実際にこんなことが起こるのだろうか。さすがに大手コンビニチェーンであるローソンではここまで訳のわからない発注には確認がいくと思いたいのだが・・・。また、どうでもいい事ではあるが作品中に出てくる『コーヒーメロン』が気になってしまった。道民にはわかるネタなのだろうか。Google先生に尋ねた所、存在はしない様だったが実際はどうなのだろうか。
オープニングの『GOING UNDER GROUND』の『トワイライト』はかなりカッコイイ。配送トラックを運転している『大泉洋』までが不思議とカッコ良く見えてしまった。ちなみにエンディングは『GOING UNDER GROUND』の『さえないブルー』である。こちらもなかなか良い(『大泉洋』のひとり芝居含め)。ただ、この歌が響く世代とこの作品の響く世代には少し開きがあるのではないだろうか、と思ってしまった。
『銀のエンゼル』は地味ながらも人の温もりが伝わってくる作品であった。淡々とした作品を淡々と観ることが出来る方なら楽しめる作品ではないだろうか。
(追記)映画を基にした本を読んで読書感想文の様なモノを書いてみた。
・『銀のエンゼル 出会えない5枚目を探して : 鈴井 貴之』 − 思考の消化器官
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