2011年11月11日

幸せのレシピ(No Reservations)

幸せのレシピ 特別版 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-04-21)
売り上げランキング: 4308

(2007年/アメリカ)
監督:スコット・ヒックス
出演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズアーロン・エッカートアビゲイル・ブレスリンパトリシア・クラークソン

個人的採点:60点/100点
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 『幸せのレシピ』は『スコット・ヒックス』監督による『マーサの幸せレシピ』のリメイク作品である。

 勤めている人気レストランのオーナーにカウンセリングに行くことを命令され、実際に毎週通っている『ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)』であったが、シェフとしては一流であった。ある日、自分を訪ねてくるはずだった姉とその娘の『ゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)』が事故に遭い姉が事故死してしまう。そして『ゾーイ』を引き取ることになるのだが、その『ケイト』がいない時にオーナーは陽気なシェフ『ニック(アーロン・エッカート)』を雇い始め、『ケイト』の心は揺さぶられていく・・・。

 リメイク作品である『幸せのレシピ』はオリジナルの『マーサの幸せレシピ』の舞台設定をニューヨークに移した作品である。ストーリー、展開、音楽などほとんどの場面でそれ程の変わりがない。好意的にとれば忠実にリメイクされている作品だ。オリジナルを観ていないのであれば楽しめる作品であることは間違いない。ただし、オリジナルを観ているのであれば余程キャストに興味がある方以外は不満が残ってしまうのではないだろうか。また、キャストにしても主要キャストである『キャサリン・ゼタ=ジョーンズ』、『アーロン・エッカート』、『アビゲイル・ブレスリン』の3人を観るのにこの作品はそれ程適当であるとは思えない。特に『アーロン・エッカート』は軽薄なアメリカ人の様にしか見えず、オリジナルのラテン的な明るい男性というよりは単なる軽い男性にしか感じられなかった。彼の主演作を観るのであれば『サンキュー・スモーキング(Thank You for Smoking)』をオススメしたい。

 私自身は『アビゲイル・ブレスリン』が観たくてこの作品を観たのだが、彼女自身の演技は幼いながら素晴らしいものがあった反面、演出によってそのよさが消されてしまっていた様に思える。オリジナルに比べて『ケイト』と『ニック』の恋愛に重きが置かれているので『ゾーイ』の存在感が微妙過ぎるのだ。リメイクだけではなくオリジナルにしても『ゾーイ』のポジションは都合よく描かれている感があるのだが、オリジナルでは淡々とした表情の役者だったので気にならなかった所が『アビゲイル・ブレスリン』では深い悲しみの表情があるが故にその都合のよさが鼻についてしまうのだろう。

 ただ、このリメイク作品こそがアメリカなのだ、と思えばあえて観る価値があるのかもしれない。特に難しいことを考えずにパワーとノリで押し切る、その潔さ。そしてエンディングはキャリアアップも果たしてハッピーエンドという人生の勝者にスポットを当てたわかり易さ。個人的には嫌いではない。そして何よりもこのリメイク作品があることで、それを観た何割かの方が確実にオリジナル作品に流れていることを思えば、それは素晴らしいことだと思うのである。

 『幸せのレシピ』はよく言えば忠実な、悪く言えば変わり映えのしないリメイク作品であった。キャストに興味がないのであればオリジナル作品である『マーサの幸せレシピ』を観ることをオススメする。



posted by downist at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 − ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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