2011年10月23日

大いなる休暇(La Grande seduction)

大いなる休暇 [DVD]
大いなる休暇 [DVD]
posted with amazlet at 12.03.09
ハピネット・ピクチャーズ (2006-02-24)
売り上げランキング: 69257

(2003年/カナダ)
監督:ジャン=フランソワ・プリオ
出演:レイモン・ブシャール、ディビッド・ブータン、ブノワ・ブリエール

個人的採点:80点/100点
DMMでレンタルする
 舞台は小さな島サントマリ・ラモデルヌ。漁業が廃れてしまってから島民は生活保護で暮らす日々であった。島民は工場誘致を目指すが、工場の誘致には島に医師がいることが条件となっていた。そこで島民たちは団結して何とか島に来させることに成功した医師を定住させるべく、あの手この手を使って接待をするのだった・・・。

 作品の中では島民たちが見よう見まねで医師が大好きだと言うクリケットを医師の気を引くためにプレイするのだが、私自身がクリケットのルールをまったく知らないので、その不思議さがイマイチ理解出来なかった。クリケットを理解している方であればきっともっと面白く感じるのだろう。その点が残念であった。

 個人的には島民たちの盗聴器での件は何回観ても笑ってしまう。医師の話すことに対する島民の反応がイチイチ面白いのだ。当たり前だが同じく盗聴している『善き人のためのソナタ』とは空気がまったく違う。盗聴に悪意がなければ許される、と言うつもりはないがこの作品の人々の緩い感じだとついつい許してしまいたくなるのである。

 この作品は島民が皆でウソをついて医師に何とか島を気に入ってもらおうとする話だが、それは恋愛にソックリだと思う。気に入ってもらおうと自分を飾り、そして時にはウソもついてみる。猛烈にアピールした後に少し距離をとる、という様なテクニックを使ってみる。作品内での様に盗聴までしてしまったらそれは既に犯罪だが、何とかして相手の好きな物や自分の評価を探ろうとする。それらが上手くいく時もあるが、取り繕ったものはやはりどうしても綻びが出てしまうものだ。そんな時取り繕ったウソの部分ではない『真実』がどれだけ相手に届くのか、それは恋愛と同じくやはりどれだけ相手のことを想っているかなのだろう。

 私は疲れている時、この作品のオープニングとエンディングに癒される。幸せってこういうことだよな、と改めて思わされるのだ。日本で忙しく日々生活していると、段々と心に澱みが出てきてしまいがちな方も少なくないと思うが、そんな時にぜひ思い返して頂きたい素敵なシーンである。

 『大いなる休暇』は日々の生活に疲れ気味の方にオススメしたい作品である。休みの昼間にでもゆったり観ると安らぎを感じられるかも知れない。派手さはないが素敵な良作だ。



posted by downist at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 − ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック