2011年10月20日

ルート225

ルート225 [DVD]
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ハピネット (2006-09-29)
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(2006年/日本)
監督:中村義洋
出演:多部未華子崔洋一梅沢昌代田中要次

個人的採点:100点/100点
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 『藤野千夜』の同名の小説を『中村義洋』監督が『多部未華子』主演で映画化した作品である。

 弟のダイゴ(『石田力』)を迎えに行ったエリ子(『多部未華子』)は弟と共に普段と少し違う世界に迷い込んでしまう。彼らは母親と話が出来るテレカを手掛かりに、元の世界へ戻ろうとするのだが・・・。

 完全に『多部未華子』目当てで観た作品である。しかし『多部未華子』の魅力はもちろん感じられたが、それ以上にこの作品自体にヤられてしまった。内容的には良くある話である。映画でも小説でも漫画でもそれ程珍しい設定ではない。それでもこの作品が輝けるのは、そのストーリーの単純さと、そのメッセージ故だろう。

 人と人はいつか必ず別れる。両親であっても兄弟であっても恋人であっても伴侶であっても友人であっても、その別れが早いか遅いか、また別れ方に違いがあったとしてもいつか必ず別れる時が来るのだ。そして別れが来てから、元に戻りたいといくら願ったとしても戻ることは決して出来ない。私たちは決して後戻りすることの出来ない世界に生きている、この作品からはそんな現実と、その別れの先にも想いは必ず繋がっており、明日は来るのだと思わせてくれるものがあった。

 実は漫画『漂流教室』などもそうだが、こういう異次元トリップ系の話は苦手である(『漂流教室』とこの作品ではそもそも趣旨が全く違うが・・・)。現実感がない割に感覚的には『ある』のではないか、と思って怖くなってしまうのだ。普段開けない扉の向こうとか、暗い部屋の柱の影とか、近所なのに知らない町並みとか、そういうものに私は恐怖を感じることが少なからずある。父の実家周辺で家が近いのはわかるのだが、道に迷って途方に暮れたことのある小学生時代の経験がその恐怖を感じさせるのかも知れない。しかし、そんな私でもこの作品からは恐怖感は感じなかった。起こっている事は非常に恐ろしいことではあるのだが、その辺りを上手く抑えられている所が個人的には嬉しい。

 ところで『門に@』という文字を見た弟君(『石田力』)の「どう思う?どう思う?なんて読むの?なんて読むの?」という反応が何とも言えずに思わずハマってしまった。本当に何て読むのだろう。また、姉弟の会話が事態の割りにほのぼのしていて面白い。私もこんなクールな姉が欲しかったな、と思ってしまった(多部未華子級に可愛ければ別に妹でも良いのだが・・・)。

 さて、ラストの電話での会話の切なさは何とも言えなかった。この切なさはきっと別れを経験したことのある人にしかわからないものだろう。そういった意味ではこの作品の本当の良さを感じることが出来るのは、『別れ』を経験したことのある人だけなのかもしれない。よく言われることだが『人は生によって平等なのではなく死によって平等』なのだ。そして同様に『人は出会いによって平等ではなく別れによって平等』なのだと改めて感じさせられた作品であった。

 『ルート225』は『多部未華子』の魅力が詰まっており、同時にその魅力に負けない魅力的な作品であった。オススメである。


(追記)原作本を読んで読書感想文の様なモノを書いてみた。

『ルート225 : 藤野千夜』 − 思考の消化器官






posted by downist at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 − ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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