サンキュー・スモーキング (特別編) [DVD]posted with amazlet at 12.03.1020世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2010-06-25)
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(2005年/アメリカ)
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、キャメロン・ブライト、ケイティ・ホームズ
個人的採点:95点/100点
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『ニック・ネイラー(アーロン・エッカート)』はタバコ研究アカデミーの広報部長であり、喫煙と健康被害との間に因果関係がないことを人々に信じさせるために、得意の話術を用いる日々を送っていた・・・。
作品の中で映画を使ってタバコのイメージアップを図るということで、ハリウッドのエージェントと話をした『ブラッド・ピットとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが無数の星の下で愛を確かめ合い浮遊するベッドに裸で横たわり彼がタバコに火を 彼女の完ぺきな体に煙の輪を吹きかける』というシーンは少し観てみたいな、と思ってしまった。私がタバコがカッコいいアイテムだと思ったのは『あぶない刑事』だったのだが、最近のドラマ・映画では全くといって良いほどに喫煙シーンがない。個人的には映画やドラマなどには、どう考えてもタバコを吸うのが似合うシーンがあると思うし、それを削ることが喫煙による健康被害を予防することになるという考えには賛成出来ない。タバコの様な嗜好品は個人で自由に選択出来るべきだと思うし、その自由を完全に奪う程の危険性はタバコにはないと思う。ただし、もちろん自由には義務と制限もあって然るべきとは思うが・・・(例えば未成年者の喫煙の制限、公共機関での喫煙の制限など)。
私は喫煙者ではないので、最近の喫煙者への風当たりの強さを「大変だなあ」程度でしか感じていないのだが、タバコに限らず同調圧力の強い現代の日本では少数に含まれることは生きることを非常に難しくさせているとは思う。この作品は『個人の選択の自由』というものが『健康』やその他のものに比べても圧倒的に力をもつアメリカだから成り立つのだろう。日本では『個人の選択の自由』以上に力を持つ『社会全体の利益』という物(例えそんなものが幻想だったとしても!)が伝家の宝刀として残っているので、舞台が日本だとしたら、この作品のクライマックスの様にはまとまらなかったのではないだろうか。
とまあ、ここまで社会派作品の感想みたいなことを書いてきてしまったが、この作品に関してはそういったことを考えないで観るのが正解だと私は思う。あまり社会派な作品として観てしまうと楽しめなくなってしまうだろう。単純にコメディとして観て良い作品ではないだろうか。そして、そういった観方をしたとしてもしっかりと最後には考えさせられることがある作品になっていると思う。
また監督の『ジェイソン・ライトマン』はこの作品の後に『JUNO/ジュノ』を撮っているのだが、どちらも素晴らしい作品だったと思う。この二作品以外にはまだ観ることが出来ていないが、1977年生まれでまだまだ若い監督なので今後が楽しみである。
ところで作中ではタバコを『tabacco』と言ったり『cigarette』と言ったりしているのだが、なぜだろうか。調べてみたら『cigarette』は一般的に吸われている紙巻タバコのことで『tabacco』だとそれ以外の刻みタバコやら葉巻タバコやらが含まれてくるようだ。ふむ、勉強になるな。サンキュー・ウィキペディア!
『サンキュー・スモーキング』は作品の長さが93分、テンポもよく飽きさせない。まさに秋の夜長にピッタリな作品だと思う。喫煙シーンは全く出てこないので、タバコを目の敵にする方も安心して観ることが出来るだろう。オススメである。
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