劇場版 ネコナデ スペシャル・エディション [DVD]posted with amazlet at 12.03.10Happinet(SB)(D) (2008-10-24)
売り上げランキング: 47505
(2008年/日本)
監督:大森美香
出演:大杉漣、青山倫子、もたいまさこ
個人的採点:65点/100点
DMMでレンタルする
同名のTVドラマを再構成して『大森美香』監督が『大杉漣』主演で映画化した作品である。
人事部長の『鬼塚太郎(大杉漣)』は、社の運命を左右するリストラを5年間続けてきた。非情な人事も厭わない冷酷な人物と恐れられていた鬼塚だが、実は胃痛に苦しむ毎日であった。ある日、彼は公園で子猫が捨てられているのを発見する。あまりのかわいさに自宅前まで連れ帰ってしまったのだが、家族に打ち明けられず、悩んだ末に会社の研修用施設の一室でこっそり飼い始めるのだった…。
猫を題材にした作品であるが、先日の『私は猫ストーカー』とは趣きがかなり異なった作品である。登場する猫は可愛いのだが、それを眺めると言う様な作品ではなく、しっかりとしたストーリーがあり、猫は要素の一つでしかない。猫の可愛い姿観たさにこの作品を観たら、猫要素の少なさにガッカリする事だろう。私自身、もっと猫要素の多い作品かと思っていたので、その部分には裏切られた気がした。しかし、逆にストーリーはかなり普通に作られており、ストレスを溜めがちな日々を過ごしている方には共感出来る部分は多いだろう。
主演の『大杉漣』はさすがの上手さだったと思う。会社での厳しい顔から猫の前での崩れた顔まで、見事に演じている。彼程、嫌味のない演技で幅広く演じる事が出来る役者はなかなかいないのではないだろうか。考えてもあまり思い付かない。そして『もたいまさこ』であるが、私はこの作品で初めて彼女が悪意を持った人間を演じるのを観た。ほとんどの作品で人畜無害的な役柄なので、これは新鮮であった。しかもそんな彼女が演じると、いかにもいそうな胡散臭い人物に見えてくるから不思議である。『上手い役者』と言うイメージではないが、やはりそれが上手さなのだろうと思わされた。
ところで、この作品は『つじあやの』の『頼りない天使』が主題歌になっている。個人的には『頼りない天使』と言えば当然『FISHMANS』なのだが、私の中で『猫の恩返し』で猫キャラが固定されている『つじあやの』の雰囲気はかなり良かった。あまりの心地良さに、歌を聴くためだけにエンドロールを何回も繰り替えしてしまった程である。『FISHMANS』の作品も含め『頼りない天使』は名曲なので、是非エンドロールまでしっかりと観て欲しい。
『ネコナデ』は猫目当てで観ると物足りないと感じられるものの、作品自体は良作であった。日々ストレスでいっぱいのサラリーマンお父さんに観て頂きたい作品である。
関連リンク
・『連続テレビドラマ ネコナデ DVD-BOX(4枚組)』
・『ぬくぬく』
【邦画 − ドラマの最新記事】