いぬのえいが プレミアム・エディション [DVD]posted with amazlet at 12.03.10ジェネオン エンタテインメント (2005-08-24)
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(2005年/日本)
監督:犬童一心、黒田昌郎、祢津哲久、黒田秀樹、佐藤信介、永井聡、真田敦
出演:中村獅童、伊東美咲、天海祐希、小西真奈美、宮崎あおい、佐藤隆太、乙葉、荒川良々、川平慈英、佐野史郎、渡辺えり子、吉川ひなの、木村多江、戸田恵子、高橋克実、北村総一朗、大橋のぞみ、田中要次
個人的採点:50点/100点
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『犬童一心』監督をはじめとした7名の監督による、11の短編からなるオムニバス作品である。
- A Dog's Life:good side 監督:黒田昌郎
- うちの子 No.1 監督:称津哲久
- CMよ、どこへ行く 監督:黒田秀樹
- ポチは待っていた/思い出 監督:犬童一心
- 恋するコロ 監督:佐藤信介
- ポチは待っていた/唄う男 監督:犬童一心
- 犬語 監督:永井聡
- ポチは待っていた/病院 監督:犬童一心
- ポチは待っていた/空き地 監督:犬童一心
- A Dog's Life:bad side 監督:黒田昌郎
- ねえ、マリモ 監督:真田敦
出演者陣を見ると何とも豪華だ。全員の演技が上手いと言う訳ではないが、名前を聞けば顔が浮かんでくる様な有名所の面々である。ポニョ以前の『大橋のぞみ』が見れたりとなかなかに面白い。ただ、その出演者を活かしきれているか、と言うと疑問ではある(バウリンガルがモチーフの『犬語』の『田中要次』は良かった)。もちろん犬が主役なのだから人間はメインでなくても良いのだが。
人生で一番泣いた作品だと思う。一番ラストの『ねぇ、マリモ』は10分程度の話だったが、本気で泣きまくってしまった。愛犬(柴犬)と一緒に観ていたのだが、愛犬に心配される程に泣いた。これはきっと犬を飼った事がある人はもちろん、飼った事がない人でも泣けるはずである。しかし、だ。泣ければ良いのか、と思わなくはない。エピソード的にも音楽的にも泣かせる気満々でやってくるのである。「泣け泣け」言われた後に見事に泣いてしまう気持ちの悪さと言うか、悔しさがあるのだ。好きだったペットが死んでしまえば、普通は泣く。それをモチーフにした作品があって「感動出来るでしょ?」と言われても、私は素直にはなれないのである。
話の一つ一つはなかなか良かった様に思う。ただ、メインストーリーの『ポチは待っていた』が弱過ぎるせいか、全体としてのまとまりが全くと言って良い程になかった。やはりオムニバス作品だとしても、映画として成り立たせるのであれば作品全体の統一感が欲しかったと思った(これは監督や出演者の問題ではないとは思うが)。ただ、前述の『ねぇ、マリモ』が反則的に泣けるので、全てを洗い流せてしまうのである。特に前半に溜まったモヤモヤした気持ちが観終わった後には何だか良くわからなくなっている、と言う反則具合。もちろんそれも計算なのだろうが、犬好きとしてはもっと素直に勝負して欲しかった、と思ってしまうのであった。
『いぬのえいが』は犬好きの方、泣きたい方にお勧めである。ただ、『映画』を観たい方にはお勧めしない。
関連リンク
・『ねえ、マリモ (講談社の創作絵本)』
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