ソラニン スタンダード・エディション [DVD]posted with amazlet at 12.03.10TCエンタテインメント (2010-09-03)
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(2010年/日本)
監督:三木孝浩
出演:宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太、近藤洋一、伊藤歩、財津和夫
個人的採点:55点/100点
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『浅野いにお』による原作漫画を『三木孝浩』監督によって『宮崎あおい』主演で映画化した作品である。
OLの『芽衣子(宮崎あおい)』は、大学時代からの恋人でバイトをしながらバンドを続けている『種田(高良健吾)』と同棲中だった。ある日、『芽衣子』会社を辞めてしまう。そして、その決断は『種田』の将来への不安を大きくさせてしまった。その後『種田』は『芽衣子』の言葉で改めて音楽と向き合い、デモCDをレコード会社に持ち込んだが、反応のないままに日々は過ぎていく。そんなある日、『種田』は交通事故に遭ってしまう・・・。
正直な感想を言えば退屈な作品であった。悪い作品ではないと思う。いつもながら単純に『宮崎あおい』は可愛いし、『高良健吾』、『桐谷健太』はなかなかの演技を観せていたと思うし、『近藤洋一』、『財津和夫』を映画で観る事を楽しめた。この作品が30分であれば気持ちの良い素晴らしい作品だと思えただろう。しかし、これは恐らく長編作品が初監督で、元々がPVを撮っている監督だからなのかもしれないが、延々とPVを120分魅せられている様な感覚に陥るのである。ただし、後半残り20分くらいからの自転車のシーンからライブの流れは非常に良かったと思う。言ってしまえば、そこだけ観れば十分かもしれない作品であった。
また、『宮崎あおい』に関しては今作で演技が良かったとは思えなかった。もちろん悪くはなかったし、私が『宮崎あおい』の作品を多く観ているのも一因だと思うのだが、特にこの作品では『宮崎あおい』は『芽衣子』に見えなかったのだ。『宮崎あおい』が『宮崎あおい』として作品の中にいた様にしか見えなかった。何となく思うのは、彼女が少し仕事をし過ぎなのではないだろうか、と言う事である。以前も書いたが、もう少し作品を絞って誰もが名作、と呼べる様な作品での彼女が観てみたいものだ。
さてストーリーだが、私は原作を読んだ事がないので、恐らく原作にかなり忠実であろうこの作品に対して言及するのは躊躇してしまうのだが、『種田』をなぜ殺したのかが納得出来ない。なぜ『種田』は死にたかったのかがわからない。私は伝説にならなかった生きた『尾崎豊』の今を見たかったし、『thee michelle gun elephant』の再結成も見たかったし、『フジファブリック』はまだまだこれからもっと面白くなってくれるバンドだと思っていた。音楽にのめり込んだ『種田』だったらきっと同じ様な事を考えた事があるに違いないと思う。あのタイミングでの死は、
「もう少し時間を下さい。何か答えが見付かるまでは。・・・例えそれが険しい道で、世界の果てまで続いていたとしても、僕は僕の道を行くんだ。」と言っていた『種田』が出した結論にしてはクソッタレ過ぎる。余りにも単純過ぎる。『芽衣子』の次の一歩の為にあったエピソードであったとしても、人が死ぬ事でしか変わる事が出来ない変化なんて観たくはなかった。そして、現代の若さはそんなに単純なものではないと思う。現実ではきっと『種田』が死ぬ事もないけれど、『加藤』の就職は決まらない、そんなもっと救い様のない現実が続いて行くのだと思う。そして、だからこそ音楽が必要なんだと思うのだ。
『ソラニン』はベタな青春音楽作品であった。『宮崎あおい』ファン、『ASIAN KUNG-FU GENERATION』ファンには特にお勧め出来る。ちなみに私は音楽的にもイマイチだった。
(追記)原作漫画を読んで読書感想文の様なモノを書いてみた。
関連リンク
・『ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)』
・『ソラニン (CD)』
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