私の中のあなた [DVD]posted with amazlet at 12.03.10Happinet(SB)(D) (2010-02-19)
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(2009年/アメリカ)
監督:ニック・カサベテス
出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・ヴァジリーヴァ、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ジョーン・キューザック、トーマス・デッカー、エヴァン・エリングソン
個人的採点:65点/100点
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『ジョディ・ピコー』による『わたしのなかのあなた』を原作に『ニック・カサベテス』監督が『キャメロン・ディアス』などの出演によって映画化した作品である。
『アナ(アビゲイル・ブレスリン)』は白血病である姉の『ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)』のドナーとなる事を望まれて生まれた。『アナ』は幼い頃から『ケイト』の最適なドナーとして臍帯血、輸血、骨髄移植など数々の手術を受けてきたが、ある日腎移植を拒み、両親を相手に訴訟を起こす事になる・・・。
言葉は悪いが難病ものと言える様なジャンルの作品が確実に存在する。基本的には病気だったり、その病気に対する社会にだったりへの問題提起を主題とする作品群である。その手の作品の中で特に邦画の多くは泣ける。悔しいくらいに号泣出来る。でも、それは泣かせられている、と言う意識が確実に存在する涙だ。その手の作品は確かに泣けるのだが、観終わった後に残るのは気持ち悪さなのである。その点、今作にはその気持ち悪さがない。大泣き出来る作品ではないが、観た後にジンワリとした優しさが溢れてくる様な作品であった。
この作品のキャストを見た時に(作品の概要は何となく知っていた)、『キャメロン・ディアス』には違和感を感じたのだが、実際に観ると違和感を感じるどころか素晴らしい演技であった。『キャメロン・ディアス』も母親役でこんな演技を出来る年齢になったと言うべきなのかわからないが、私の中でラブコメしかなかった彼女のイメージが確実に変わった作品であった。また、『リトル・ミス・サンシャイン』でも良い演技を観せてくれた『アビゲイル・ブレスリン』だが、今作でも良かったと思う。大人の女優のミニチュア的なルックスをした女の子役が多い中で、子供らしい女の子役は少ないと思うので、今後も是非期待したい。
ストーリーはあまり感情的な部分は多くなく、かなり冷静に作られている印象だ。その分、母親である『サラ(キャメロン・ディアス)』の感情が全面に押し出されている感があるが、自分の子供が同じ境遇であったら当然の感情だろう。むしろ、私には『サラ』でさえ冷静だと思えてしまう。そして、父親である『ブライアン(ジェイソン・パトリック)』はそれに輪をかけて冷静だ。こう言ったテーマの作品はこの位の冷静さが欲しいと思う。
『私の中のあなた』は重いテーマが観易くまとめられている作品であった。家族で観て家族の絆を感じるのも悪くないのではないだろうか。
関連リンク
・『私の中のあなた 上 (ハヤカワ文庫NV)』
・『私の中のあなた 下 (ハヤカワ文庫NV)』