(2009年/日本)
監督:真田敦
出演:岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、蒼井優
個人的採点:60点/100点
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『吉田玲雄』による原作エッセイを『真田敦』監督が『岡田将生』主演で映画化した作品である。
ハワイ島のホノカアで暮らし始めた『レオ(岡田将生)』は映画館で映写技師見習いとして働き始め、イタズラ好きな『ビー(倍賞千恵子)』と出会う。それから毎日の様に『レオ』は『ビー』の家で食事をする様になる。ある日、『マライア(長谷川潤)』と出会い、『レオ』は恋をするのだが・・・。
『かもめ食堂』や『めがね』、『プール』などと同系統の作品だと言って良いと思う。緩やかに流れる時間の中で食べる美味しい料理たち・・・それが全てと言っても良いだろう。ストーリーが全くないとは言わないが、観るのはストーリーではなく空気感であったり、映像としての綺麗さだと言える。もちろん、その空気を醸し出す出演者たちは素晴らしいと思った。
出演者の内、まず『岡田将生』だが、この作品には非常に良く合っていたと思う。ただ、個人的には彼は雰囲気役者の様に感じられてならない。役毎に演じ分けている様には感じられないのだ。同じ様に雰囲気女優だと思っている『蒼井優』は役毎に違った印象を見せるので、『岡田将生』もまだまだ若いが、彼には演技の幅が必要な様に感じる。また、映画初出演であろう『長谷川潤』は健康的で好感の持てる綺麗さであった。そして『倍賞千恵子』はさすがだ、と言うしかない。この作品の中では間違いなく断トツで輝いていた。
一番印象に残ったのは『コイチ(喜味こいし)』の「年取ったからってやっちゃいけない事なんてないんだぜ」と言う素敵な台詞だった。また、「奇跡は起きるから奇跡なんだ」と言う台詞も良いのだが、それを医者に言わせて欲しくはなかったと思う。そして、その医者と『レオ』の話すシーンやブログ女3人で『ムーンボウ』を体現するシーンはいらない様に思えた。その『ムーンボウ』はこの作品の一つのキーワードだと思うのだが、扱いが微妙すぎる様に感じられた。重要そうなキーワードに見せかけて特に必要ない物にしか思えなかったのである。
最後にこの作品に少しだけ出演していた『蒼井優』と『深津絵里』を主演にしてスローライフ映画を作ったら良い作品になりそうな気がするのは私だけだろうか。
『ホノカアボーイ』はゆったりとした映画の中の空気を味わう様な作品であった。『岡田将生』ファンの女性が楽しめる事は間違いない。日曜日の午後にゆっくりと観る事をお奨めする。
関連リンク
・『ホノカアボーイ』
・『ハルフウェイ』
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