(2001年/日本)
監督:安藤尋
出演:市川実日子、小西真奈美、今宿麻美
個人的採点:65点/100点
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『魚喃キリコ』による同名コミックの原作を『安藤尋』監督が映画化した作品である。
高校生の『桐島カヤ子(市川実日子)』はひとつ年上のクラスメイト『遠藤雅美(小西真奈美)』が気になるようになり、昼食に誘う。『遠藤』の他の友人たちにはない魅力に『桐島』は段々と惹かれていく。ある日、『桐島』は合コンで知り合った少年とホテルで関係をもってしまうが、その少年は友人の憧れの人であった為に『桐島』は友人から責められる事になる。そんな時、『遠藤』は『桐島』を海に連れて行ったのだった・・・。
『市川実日子』と『小西真奈美』のキャスティングは素晴らしかったと思う。特に『市川実日子』はかなりのはまり役であった。元々、『市川実日子』は好きな女優であるが、この作品にはその魅力がたくさん詰まっている。中性的で意志の強そうな表情は存在感抜群である。また、対象的な表情をした『小西真奈美』が隣にいた事でお互いの魅力を引き出し合っていた様に思えた。ただし、いくら設定が1歳年上の大人な女子高生だとしても、この当時の『小西真奈美』では大人過ぎた気がするのも事実である。
内容としてはそれ程起伏のある作品ではない。かなり淡々と描かれているので観る人によっては退屈になってしまう作品だと思う。しかし、この作品はその淡々とした流れの中に将来への不安や『桐島』の『遠藤』への想いの葛藤などが込められていると思われるので、必要なテンポであったと思う。また、全体として画面から受ける印象は暗いが、それが余計に日本海の青さを引き立てている様に思えた。『グラン・ブルー』などの作品の美しい海の青さから感じるものとは全く違うが、非常に日本的な深い青であった。
この作品が女性にどの様に観られるかは、個人的に非常に興味がある。観ていて、この作品は非常に男性的な視点で表現された女子高生たちの青春映画ではないだろうか、となぜか感じたからだ。もしかしたら単純に監督が男性だったからなのかも知れないが、何となく男性にとっては観易いかもしれないけれど、女性にとっては共感を得にくいのではないだろうか、と思ってしまったのだが、いかがだろうか。
一見、女の子同士がキスをすると言う恋愛的な部分が強調されている様に思えてしまうが、個人的には女の子同士の恋愛と言うよりは自分にはないものへの憧れ、と言う風にしか受け取る事が出来なかった(もちろん、恋愛にもそう言った側面はあると思うけれども)。原作を読んだ事はないのだが、原作がどうなっているのかが少し気になってしまったので機会をみつけて読んでみたい。
『blue』は日本的な海の青さが印象的な青春映画であった。10代の頃を思い出したくなった方にお勧めの作品である。
・『blue (Feelコミックス)』
・『ストロベリーショートケイクス』
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