2010年08月09日

THE BEACH

ザ・ビーチ (特別編) [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2010-06-25)
売り上げランキング: 7735

(1999年/アメリカ)
監督:ダニー・ボイル
出演:レオナルド・ディカプリオティルダ・スウィントンヴィルジニー・ルドワイヤンロバート・カーライルギョーム・カネ

個人的採点:60点/100点
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 『トレインスポッティング』の『ダニー・ボイル』監督による、『レオナルド・ディカプリオ』主演のサスペンスドラマ作品である。

 タイのバンコクを旅する『リチャード(レオナルド・ディカプリオ)』は、『ダフィ(ロバート・カーライル)』という男から、ある1枚の地図を手に入れる。『リチャード』は『伝説のビーチ』の位置だと言うその地図を手に、たまたま隣室に泊まっていた『フランソワーズ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)』と『エティエンヌ(ギョーム・カネ)』を誘い、その地を目指す。そして、見事たどり着いた島は確かに楽園であったが、ある事件が起こった時、崩壊に向かっていく・・・。

 『ダニー・ボイル』作品にしては、テンポはそれ程良い様には思えない。後半に現れるゲーム的な演出は、『ダニー・ボイル』らしい言えば、らしいのかもしれないが、少し中途半端な様に思えた。しかし、これは他の作品にも言える事だが、作品全体にリズムを出すサウンドトラックは素晴らしいと思う。

 個人的には大好きな監督なのだが、本作は『ダニー・ボイル』作品の中では好みではない。『リチャード』たちが島に着くまでは良かったのだが、そこからの展開の大筋は読めてしまった、と言う事が大きいかもしれない。また、作品のラストで日常に戻っていく『リチャード』だが、あまりにもアッサリとし過ぎている様に思える。それこそ『トレインスポッティング』のラストシーンを彷彿させる様に意気揚々と日常に溶け込んでいく『リチャード』だが、『トレインスポティング』とは決定的に違う部分がある。それは『リチャード』は人を確実に殺めていると言う点である。その葛藤が見えないのが個人的には一番納得出来なかった。

 この作品での『レオナルド・ディカプリオ』はなかなか素晴らしかった思う。もしかしたら、多くの人に求められている『レオナルド・ディカプリオ』ではなかったのかも知れないが、私としてはこの作品があるからこそ、彼の他の作品でも観る気になれると言う部分は少なくない。作品の評価は『レオナルド・ディカプリオ』で左右されている訳ではないだろう。例え、『ダニー・ボイル』作品とは相性の良い『ユアン・マクレガー』が主演であったとしても、評価は変わらなかったに違いない。

 ところで、作品内容とは全く関係ないが、一つ前の感想文に書いた『プール』とは同じタイが舞台ではあるが、観せられる世界は全く別物であった。(もちろん、『プール』の舞台チェンマイはタイ北部であり、この作品の舞台ピーピー諸島はタイ南部であるから、当然と言えば当然ではあるが。)ただ、どちらも美しい自然を背景としているので、いつか訪れてみたいと思える国である。

 『THE BEACH』は『ダニー・ボイル』好きにも『レオナルド・ディカプリオ』好きにも薦められる作品ではない。しかし、その点を考えずに観ればなかなかに魅力のある様に思えた作品であった。



関連リンク
・『タイの歴史

物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)

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・『トレインスポッティング

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posted by downist at 05:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 − ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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