2010年07月06日

ジダン 神が愛した男(ZIDANE, UN PORTRAIT DU XXIE SIECLE)

ジダン 神が愛した男 [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント (2006-11-23)
売り上げランキング: 45915

(2006年/フランス・アイスランド)
監督:ダグラス・ゴードンフィリップ・パレーノ
出演:ジネディーヌ・ジダンデビッド・ベッカムロナウドロベルト・カルロス

個人的採点:55点/100点
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 実際の公式戦の試合で撮影したサッカードキュメンタリー作品。


 2005年4月23日に開催されたリーガ・エスパニョーラでのレアル・マドリードビジャレアル戦のほとんどで『ジネディーヌ・ジダン』一人をカメラは追う。スーパーなプレーでなくても『ジダン』を追い、ボールとは無関係な所で歩いている『ジダン』を追い、ゴールシーンとは関係ない所にいる『ジダン』を追う。ひたすらに『ジダン』を追い続ける。


 まず、『ジダン』のスーパープレー集的なものを期待している方には全くお勧め出来ない。さすが『ジダン』と言う様なプレーがない、とは言わないが、代名詞とも言える『マルセイユ・ルーレット』ですらない。しかし、『ジダン』がピッチを歩き、呟き、唾を吐き、汗を拭うシーンは存分に観る事が出来る。サッカーを遊びでしか経験した事がない私などは、普段試合を観るにしても基本的にボールを中心に観てしまうので(また、TVでは観たくても観る事は出来ないので)、ボールと無関係な所のプレーを延々と観ると言うのはかなり新鮮であった。


 作品の触れ込みとして「17台のカメラを駆使した〜」と言うのがあるが、カメラの切り替えが激し過ぎるシーンが少なくなかった様に感じた。そうする事で映像的には確かにアート風にはなるのだが、個人的にはもう少しドキュメンタリーに徹して欲しかったと思った。また、所々で『モグワイ』の音楽が流れているのだが、これは好みが分かれる様に思う。個人的には試合のシーンでは無音と実際の歓声やプレー音などの音のどちらかの繰り返しの方が良かった。『モグワイ』の音楽だと作品をアート的にみせようとしているかの様に感じられてしまうからだ。


 ところで、この作品の最後で『ジダン』はレッドカードにより退場となる。サッカーファンでなくても知っている方が多いと思うが、『ジダン』は現役最後の試合である2006年のワールドカップドイツ大会決勝においても退場となる。『神が愛した男』である『ジダン』に対してあの幕切れは余りにも酷だと、世界中のサッカーファンが思ったはずだが、この作品はそんな『ジダン』の未来をも予見していたのかと思いたくなる様なラストである。


 『ジダン 神が愛した男』はたとえサッカーが好きだとしても、『ジダン』が好きだとしても、必ずしも薦められる作品ではなかった。しかし、他のどんなサッカー映画よりも選手(『ジダン』)の息遣いやプレイの臨場感が感じられる、自分がピッチサイドに立っているかの様な作品であった。



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