(2001年/日本)
監督:大谷健太郎
出演:瀬戸朝香、塚本晋也、市川実日子、村上淳
個人的採点:70点/100点
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『とらばいゆ』は『大谷健太郎』が監督の働く女性がテーマのコメディ作品である。ちなみに『とらばいゆ』とはフランス語の『Travail』(仕事・職)の事らしい。
姉妹そろって女流棋士という姉の『麻美(瀬戸朝香)』と妹の『里奈(市川実日子)』。『麻美』はサラリーマンの『一哉(塚本晋也)』と結婚してからスランプ続きで毎日イライラしてた。一方の『里奈』は四季折々で彼氏が変わり、今度は『弘樹(村上淳)』という売れないミュージシャンを連れてきた。最近はどちらもうまくいっておらず、『麻美』は将棋の対局で負けては『一哉』と喧嘩、『里奈』は『弘樹』に家事をやらせて自分は元彼と遊んでいた事がバレて喧嘩。その内に姉妹同士の喧嘩に発展し、話がどんどんこじれていってしまう・・・。
男性陣はどちらも(個人的には嫌いな言葉なのだが)今をトキメク草食系男子である。そして女性は今風の、どちらかと言うと自己中と言われる様な女性である。私自身はこんな女性が好みなので全然気にならなかったのだが、世間一般的にはどうだったのだろうか。元々、『市川実日子』は特に好みなので今作でかなりはまってしまった。また、『瀬戸朝香』も見事な切れキャラっぷりで良かったと思う。ただ、これは色々な所で言われてそうだが、二人の泣くシーンはリアリティがなかった。ただ、これが女性特有の泣き方を狙った演出だったとするならば、狙い通りだったのかもしれないが。
観る人によっては笑えないのかも知れないが、個人的には大いに笑えたコメディであった。特に『麻美』と『一哉』が『一哉』の買ってきた弁当の事で言い合いをするシーンの『一哉』の台詞には参った。普通の男女であれば、あの一言で喧嘩は終わるんじゃないだろうか、と思う程の破壊力を私は感じた。是非、あんな一言を私も日常生活に忍ばせたいものだ。
この作品が笑えない人は『麻美』や『里奈』の様な女性に不快感を感じてしまう男性や、本格的に『麻美』や『里奈』の様な女性だと思う。どちらにせよ、少し余裕をもたないといけない人たちはきっと笑えないに違いない。
どうも女流棋士と言う、かなり特殊な職業なので想像し難い所もあるのだが、現代の働く女性ならば多少なりとも『麻美』や『里奈』に共感する所があるだろう。と、同時にそんな女性が身近にいる男性であれば『一哉』や『弘樹』に共感する所もあるだろう。現代の男女であれば、話し合っておかなければならないテーマである事は間違いない。
『とらばいゆ』は女性陣のキレっぷりと男性陣のオタオタとした優しさが見事に演じられているコメディであった。結婚や同棲をする前の男女が相手の反応を見るには、ちょうど良い作品かもしれない。
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