(2000年/アメリカ)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、キャリー・アン・モス、アルフレッド・モリーナ
個人的採点:75点/100点
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『ジョーン・ハリス』の同名小説を『ラッセ・ハルストレム』を監督として映画化した作品である。
古くからの伝統を守るフランスのとある村にある日『ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)』と『アヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)』の母娘がやってくる。『ヴィアンヌ』はチョコレートショップを開店するが、町は断食の期間中であった。しかも、ミサにも出ない『ヴィアンヌ』に対して村長の『レノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)』は村の秩序を乱す者として敵視していく。『ヴィアンヌ』は彼女の作るチョコレートの力もあり徐々に村人たちに受け入れられていくが、その事が余計に『レノ伯爵』を苛立たせていき・・・。
画面からチョコレートの匂いが漂ってきそうな作品である。『ヴィアンヌ』がチョコレートを作っているシーンはもちろんだが、出演陣の特に『ジュリエット・ビノシュ』と『ジョニー・デップ』も良い匂いが匂ってきそうな演者だ。また、二人のダンスシーンや『ジョニー・デップ』のギターを演奏するシーンは何とも言えない色気を感じる。『ジョニー・デップ』のこの作品以降の注目度を考えれば納得の演技である。
甘く、そして少し背徳的な香り漂うチョコレートを作る『ヴィアンヌ』は中世的な町には魔女なのであろう。確かに彼女がチョコレートを作るシーンは何かの媚薬を調合している様である。そして、それを排除しようと古い力が働く事も同様だ。(後半では魔女に対してそうであった様に彼女に対しても火が用いられる)ただ、彼女を魔女にみたててしまうと最後には村人全員が堕落させられてしまうのであるが・・・。
後半の『レノ伯爵』がチョコレートを貪り食うシーンは何とも痛快である。全編を通じて我慢していた彼がついに耐え切れなくなってしまうこのシーンは、彼の精神的な弱さと言うよりも人間的な温かみを強く感じるシーンであった。そして、私も人生に一度くらいあんな風にチョコレートにまみれながら貪り食ってみたいものである。
『ショコラ』は観終わった後にチョコレートを買いに走ってしまう事請け負いな匂いすら漂ってきそうなファンタジー作品であった。『ジョニー・デップ』の色気も凄いので女性には特におすすめである。(ただしダイエット中の方を除く)